第二回「ランボー」
2001年6月17日 以前住んでいたアパートの近くに、ランボー書店という本屋があった。品揃えは多くはなかったが、週刊誌や漫画誌を買うには不便のないくらいの書店であった。ランボー書店というとかなりインパクトがある名前ではあるが、本好きの文学青年であったであろう店主のことだから、アルチュール・ランボー1)からとったのだろうと思って気に留めなかった。つまり、このネーミングの由来がジョン・ランボー2)からあるなど、まったく考えなかった(仮にも予備校に通い浪人生活して勉強していますからね。プライドが許さないです)。
しかし、先日驚くべきことに気付いた。何気なく見ていたこの書店の看板「ランボー書店」の文字がどう見ても勢いある力強いスタイルであることに気が付いた。映画『ランボー』の浮き出るようなあのタイトルのスタイルとどう考えても同じなのだ。嬉しいような、悲しいような。
そこで問題となるのは店主がどんな気持ちでこの書店名を考えたかということである。人間にしろ、ペットにしろ名前には、名付け親の気持ちが込められるものである。ゴダイゴ3)も「ビューティフルネーム」中で、名前は親からの最高のプレゼントだとを唄っている。仮にも自分の夢をかけた食い扶持を稼ぐための書店である。面白半分に付けたとは考えにくい。そこで店主のその名前に込められた思いを考えてみた。確かにこれは店主の教養人としてのプライドでアルチュール・ランボーを意味しているだろう。ただ、そこには幼少の頃の苦労したであろう店主の思いも込められている。現在この本屋の経営者としての地位にあるのは本によって培った教養のおかげである。そこでジョン・ランボーの背中が哀しいのは無知なるゆえであると考えた店主は、彼が青春時代を戦場ではなく数々の本と出会っていたなら、俺同様、豊かな社会生活に溶け込めたはずだと思ったのだろう。そこでそんな若者達を作りたくないと教育人である店主の思いがこの看板の文字に表わされたのだろう。知識人の代表と哀しき無知の代表。二つの意味でランボーなのである。物事には両端がある。善と悪、男と女、天国と地獄。そんな深い意味を持つ店主の思いが満ち溢れた店名なのだと思う。読書は豊かな人生を作りあげる。
誠に勝手な推測である。
1) 1854〜91 フランスの詩人。マラルメ・ヴェルレーヌと並ぶ象徴はの詩人。ヴェルレーヌとはともに生活し深い影響を与えた(早い話、ホモ付き合い)。早熟の天才詩人。文学生活は短く放浪しまくった。作品は「イリュミナシオン」「地獄の季節」。
2) 生年不明。アメリカを代表する軍人。ベトナム戦争では数々の戦功をあげ何度も勲章を受けている。ベトナム戦争終結後、帰国するもののベトナム戦争の精神的後遺症により傷害事件を起こし服役。しかし、米軍のベトナム捕虜問題で再び極秘任務につくため釈放される。そこで多くの米軍捕虜を単身救出し再び勲章を受ける。しかしその後、ストリートファイターの賞金稼ぎとしてアジア各国を放浪。アフガニスタンの内戦ではレジスタンスとして解放に尽力した。冷戦終結後、消息は不明。「俺が国を愛したように、国も俺を愛して欲しい」という言葉はあまりにも有名。
3) 1970年代から1980年代の日本を代表するロックバンド。東京外語大学生であっただけに英詞の作詞や発音は秀逸。現在のメロコアバンドのお粗末な英詞の曲とは違い、明らかに人気、実力勝負充分のバンドであった。メンバーが逮捕大麻所持で逮捕され活動休止になるものの、近年再び紅白歌合戦に出場する。現在は主だった活動はしていない。リーダーは「思いっきりテレビ」などの人情派コメンテータとして好評を博している。曲「モンキーマジック」「銀河鉄道999」「ガンダーラ」「ホリー&ブライト」など
しかし、先日驚くべきことに気付いた。何気なく見ていたこの書店の看板「ランボー書店」の文字がどう見ても勢いある力強いスタイルであることに気が付いた。映画『ランボー』の浮き出るようなあのタイトルのスタイルとどう考えても同じなのだ。嬉しいような、悲しいような。
そこで問題となるのは店主がどんな気持ちでこの書店名を考えたかということである。人間にしろ、ペットにしろ名前には、名付け親の気持ちが込められるものである。ゴダイゴ3)も「ビューティフルネーム」中で、名前は親からの最高のプレゼントだとを唄っている。仮にも自分の夢をかけた食い扶持を稼ぐための書店である。面白半分に付けたとは考えにくい。そこで店主のその名前に込められた思いを考えてみた。確かにこれは店主の教養人としてのプライドでアルチュール・ランボーを意味しているだろう。ただ、そこには幼少の頃の苦労したであろう店主の思いも込められている。現在この本屋の経営者としての地位にあるのは本によって培った教養のおかげである。そこでジョン・ランボーの背中が哀しいのは無知なるゆえであると考えた店主は、彼が青春時代を戦場ではなく数々の本と出会っていたなら、俺同様、豊かな社会生活に溶け込めたはずだと思ったのだろう。そこでそんな若者達を作りたくないと教育人である店主の思いがこの看板の文字に表わされたのだろう。知識人の代表と哀しき無知の代表。二つの意味でランボーなのである。物事には両端がある。善と悪、男と女、天国と地獄。そんな深い意味を持つ店主の思いが満ち溢れた店名なのだと思う。読書は豊かな人生を作りあげる。
誠に勝手な推測である。
1) 1854〜91 フランスの詩人。マラルメ・ヴェルレーヌと並ぶ象徴はの詩人。ヴェルレーヌとはともに生活し深い影響を与えた(早い話、ホモ付き合い)。早熟の天才詩人。文学生活は短く放浪しまくった。作品は「イリュミナシオン」「地獄の季節」。
2) 生年不明。アメリカを代表する軍人。ベトナム戦争では数々の戦功をあげ何度も勲章を受けている。ベトナム戦争終結後、帰国するもののベトナム戦争の精神的後遺症により傷害事件を起こし服役。しかし、米軍のベトナム捕虜問題で再び極秘任務につくため釈放される。そこで多くの米軍捕虜を単身救出し再び勲章を受ける。しかしその後、ストリートファイターの賞金稼ぎとしてアジア各国を放浪。アフガニスタンの内戦ではレジスタンスとして解放に尽力した。冷戦終結後、消息は不明。「俺が国を愛したように、国も俺を愛して欲しい」という言葉はあまりにも有名。
3) 1970年代から1980年代の日本を代表するロックバンド。東京外語大学生であっただけに英詞の作詞や発音は秀逸。現在のメロコアバンドのお粗末な英詞の曲とは違い、明らかに人気、実力勝負充分のバンドであった。メンバーが逮捕大麻所持で逮捕され活動休止になるものの、近年再び紅白歌合戦に出場する。現在は主だった活動はしていない。リーダーは「思いっきりテレビ」などの人情派コメンテータとして好評を博している。曲「モンキーマジック」「銀河鉄道999」「ガンダーラ」「ホリー&ブライト」など
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